Tektronix 2782(Repair Ver3)
Tektronix 2782 スペクトラムアナライザ 100Hz〜33GHz
の修理その3
2019年2月
修理その2で「つづかないで欲しい」とおまじないしたが、通じなかったようで、また、故障してしまった。
こんな画面になったのである。
YIG発振器が壊れた〜(ヤレヤレ)。
別のスペアナでLO出力を見ると、ちゃんと出力がでている。と言うことは・・・壊れてはいない(ヨカッタ)。
では何だろう、周波数ロックが不良?
じゃあ、PLLロック回路を調査だ。
右下の3本のセミリジッドケーブルが出ているのがYIGでその上がPLLロック回路ブロックだ。
分解して見たが、特におかしくはなかった(見ただけで分かるかどうかもあるが・・・・)。
PLL用リファレンスの565MHzをスペアナで見ると、550MHzになっている。おや〜。
では、と言うことで565MHz発振器を調べよう。
565MHzの信号ケーブルがこれに繋がっていたのでばらして見たが・・・。何となく違うみたい。
サービスマニュアルのブロック図をみると、もう一つ別の基板のようだ。
では、それを見てみよう。
四角のカバーが付いているので外すとこのようになっている。
真ん中辺りのコイルが565MHz発振器のようだ。
裏側は
放熱のつのが出たものの中はでかいICが1個あるだけ、なんだかよく分からんが、今回の現象にはあまり関係なさそう。
このカバーを取った状態でスペアナに装着してコイル部分の発振状態を別のスペアナで確認すると・・・・。
おやおや、見つけたぞ、放熱器の下に見えるコイルの回路が発振してなさそう。
発振回路のトランジスタが壊れた??
外してチェックしたが問題無い。
う〜ん、分からん。
では、電源回路から線を引きだしてスペアナに装着してテスタで電圧を測定すると・・・・。ありゃっ。電圧が少ない。
電源を再投入してよーーーく観察すると、電源投入直後は7.5Vで発振しているが、測定開始すると3.3Vに落っこちる。結果、発振が止まる。
う〜ん、なんだかなぁ。
この基板の裏にはアルミのシールドカバーがあり、写真に見えるスタッドで止めてある。それを外すと基板が取れて、ベースの別の基板が見えるようになる。
で、外して見てみた。
黒いコンデンサが付いているが、前オーナーが面実装コンデンサの液漏れを修理したようだ。
コンデンサを起こしてよーーーく観察すると、ややっ、パターンが切れているぞ。
コンデンサへのパターンが切れていたので修復して組み立てて、動作チェックしたが・・・直っていない。
再びバラシてしばし悩む。
コンデンサから漏れた液の洗浄が不十分だったのか、半田が変色した部分がある。
真ん中に見えるチップ抵抗1001が怪しい。半田が腐食しているのが良くわかる。どうも怪しいので外してみると、下でパターンが切れていた。
パターン修復してテストしたところ。
直った!!
はい、ようやく直りました。(congratulation)
開けたついでにバッテリ電圧を測定した。メモリーボードには元々バッテリが2個付いていた。最初のTek2782の修理の時に電池交換していた。(書き忘れた)
1個はボタン電池ホルダ式に改造してある。もう1個は単三サイズのリチウム電池3.6Vを付けている。
電池が2個あるのはボタン電池が基板に直付けだったからだ。1個だと交換時(ボードは抜かないと交換できない)にメモリーが消えるからだ。
数年経っているので電圧チェック。
まずはボタン電池電圧3.16Vで問題なさそう。
もう一つは3.67Vで問題無し。
やれやれ、修理完了だ。
もうつづかないで欲しい。
つづく