Tektronix 2784
Tektronix 2784 スペクトラムアナライザ 100Hz〜40GHz
の修理(その2)
2013年5月某日
MS710Cのところに書いたように、まったく画面が出ないし、CPUが起動途中で止まったような現象になっていた。
メモリーをクリアしたり、リセットしたり、何度もトライしたところ、ようやく起動するようになった。しかし、高圧回路は壊れているので画面は出ない。ためしに後ろから出ているXYデータをオシロのXYモードで表示したところ、なんと絵が出るではないか!
しばらく考えたが・・・・。オシロを上に乗せて・・・・・、いやいやそれでは・・・・・・、そうだオシロを中に・・・・・、入る訳が無い・・・・・、いや、CRTを入れれば・・・・・。
そうだ、CRTを入れれば良いのだ!。って高圧回路は・・・・、CRTに合わせて作る・・・・、いや移植だ・・・・。
と言うことで移植できそうな高圧回路のオシロを物色した・・・・・。
TEKの高圧は95Vから作っているので近い値で高圧を作るオシロは・・・・・、なかなか無い。
スペアナだとTEKの49xシリーズであるが・・・・。スペアナ修理でスペアナゲット・・・ってのもねぇ。それだったらTEK2784か2782をゲットして2個いちの方が良い。
しかし、スペアナはほとんどジャンクでも高周波部品が高価なせいか、結構高値である。
オシロのジャンクだと諭吉はいらない。
しばらくオシロの回路をダウンロードしまくり、回路と出品を比べながら見ていると、移植できそうな回路のオシロがジャンクで出ていたのでゲットした。
移植予定なので、早速ばらしてCRTのXYに直接TEKのCRTのXYを外してつないでみた。
なんとかなりそうであるが、大きさが合わない。駆動電圧が大きすぎるようだ。
抵抗で分圧して画面におさまるようにしてみた。・・・・・・なんとかなりそうだ。
ところで、CRTは移植できるのかな?
TEKからCRTを外してオシロのCRTを付けようとしたが、まったくダメとわかった。(とほほ)
写真のように形状がまったく違うぞ・・・・・。TEKのCRTはフラットなガラスにビームを当てる部分をくっつけたような独特な形をしている。
・・・独特・・・・、もしかしたら、すべて独特な形!・・・・・。
(ひらめいた!)と言うほどのこともないが、TEKのオシロなら・・・・。
そこでTEKのオシロで高圧が移植できるか、移植予定の高圧で駆動できるCRTが付いているオシロを物色したところ、気持ちが天に通じたのか、うまいぐあいに出品されていた。早速ゲットして(強気で入札するとなぜかゲットできる。最初のオシロより安かった)、CRTを取り出した。
比べたところ。長さは同じである。フォーカスやXYの電極の位置がちがっている。上がオシロ、下がスペアナである。
顔の違い、左がスペアナ、右がオシロ。オシロはスケールが入っているのが難点だが・・・。(贅沢は敵だ!)
早速組み込んで、先にゲットした移植予定の高圧で画面をだしたら、うまく出ることがわかった。
ちなみにもとのスペアナのCRT(上の写真の左)はだめであった。(電圧不足)。
高圧回路を移植した。
ユニバーサル基板だが、高圧用発振回路とレギュレータ回路である。設計が古いのでICではなくトランジスタで組んである。(ジャンクになるような古い物だからしょうがない)。
左のスペースに高圧トランスが載る予定。
高圧レベルシフタ(フォーカスなどの回路)はこの上に載せる。
組上がってようやくテスト・・・・。
かなり高電圧なので安易にまねしないように。
ちなみにアノード電圧15kV、カソード電圧−1700Vである。青いコンデンサまわりは−1700Vなのでテスタなんて当てられない!!
とりあえず画面は復活した。
もとの画面と比べてみると・・・・・
元の画面
新しい画面
フォーカスがあってないように見えるがこれが精一杯である。加速電圧がこちらの方が低いのでスポットの精細さが無い。
しかも蛍光体がP31(オシロなので)なので元が緑で色が緑っぽくなってしまう。元の赤表示がオレンジになってしまうのは致し方ないが・・・・・。
スペアナとして使える状態になった。
2014年1月
しばらく使っていたが、兄弟機の2782(100Hz〜33GHz)が電源不良でヤフオクに出ていたのでゲットした。
さっそく高圧を移植した(2個いち)。
元通りになった。(めでたしめでたし)
えっ、2782はどうしたかって?
そっちにはオシロのCRTと製作した高圧を入れてあげた。そのうち電源を修理しようと思っている。
でも何か変。
ノイズレベルがフラットになっている。ハーモニックミキサーなので、ハーモニック次数が上がると、変換レベルが低下するので、それを補正するために、ノイズレベルが右肩上がりの階段状になるはずである。
最初に書いたメモリクリアがいけなかったようだ。サービスマニュアルをよーーーく読むと。補正データはフラットネスデータとしてRAMに記憶してありバッテリバックアップしていると書いてあった。
こりゃいかんとバッテリを交換強化したものの後のまつりである。(とほほ)
おまけにYTFのフィルタ補正データもフラットネスデータとセットで記憶してあるらしく、24GHzで確認すると、YTFのセンタがずれていて信号が見えない。YTFは手動で補正できるメニューがあり、そこで補正ダイアルを回して調整すると信号が見えるようにはなる。ただし、フラットネスデータが消えているので約10dBほど低く表示される。しかもYTFの調整結果は記憶しない。毎回調整するようだ。
2782を使えるようにしなければと思い、とりあえず2782の方もバッテリを強化した。フラットネスデータが消えると使えないジャンクになってしまう。
2782の電源を修理しなくては・・・ =>2782の修理へ
この2784の使い道は・・・。フラットネスデータの不要な外部ミキサ専用にでもしよう。
さっそく、自作の外部ミキサを付けて100GHzを見てみた。