親機の製作(改造)
・親機にするトランシーバとしてIC−1271を使おうと思っていた。しかし、すぐ近所に無線局が開局してしまった。
夜な夜な430でラグチュウーしている。430はバンド中ノイズの嵐となり使えない。そのうち1200にも出てくるかも・・・。
そうなるとトランスバータのIFにハムバンドを使えない。
ならばIC−1271の周波数をハムバンドから外す改造をするしかない。
・どうせ改造するなら、周波数を安定化させる改造もしよう。IFはスプリアスの計算をすると、2.4GHzでは900MHzが、5.6GHzでは1000MHzが良いようだ。そうなるとLOの改造と送受信アンプ(内部のトランスバータ部)を改造しなければならない。
・周波数関係が変わるので、CPUの入れ替えとなる(またぁ!、こればっか)。
・まずはCPU入れ替えのためCPUボードを設計。ダウンロードしたIC−1271のサービスマニュアルの回路図を穴があくほどよーーーく眺めて、バスやIOなどの必要な配線を引き出しH8マイコンボードと接続するようにする。
・当然本体のCPUは外してコネクタを付けて配線を引き出す。
・とりあえず、CPUを交換してH8CPUから表示が出来ることを確認した。
つまり、H8から自在に操れるということだ。
・
10月某日
・VCOの部分の改造をおこなっていた(改造と言うより新規だが)。
もとのVCO基板(PLLユニット)は2つのLOがある。123MHz帯と1100MHz帯である。
周波数構成は
11.57xxMHz(VXO)−x6−69.4400〜69.4499MHz(10kHz可変)
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53.67MHz−−−−−−−−−−−−MIX−123.1100〜123.1199(1stLO)
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└−x9−483.03MHz−−−−┐
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5.12MHz−PLL−70.04〜100.04−−MIX−−553.07MHz〜583.07−x2−1106.14〜1166.14(10kHzstep、2ndLO)
このようになっている。3個の水晶発振器で周波数安定度が決まる。これとIFの10.75MHzの組み合わせで全体の安定度になる。今ならPLLで一発で発信できる周波数も低い周波数からMIXで持ち上げている。ここを一発にしようと考えたが・・・。
IFを流用するので1stLOは変更できない。2ndLOを変更して送受信を900MHz〜1100MHzとしよう。2ndLOは766.14MHz〜966.14MHzとなる。
チューニングステップは10Hzとしたい。まさか今時この機械のように100HzステップでチューニングしてRITで合わせて・・・(SSB)なんてことは時代遅れだし。そういえば最新のRIGなのに未だにRITで微チューニングしてズレて呼んでくる方もいらっしゃるみたいだし・・・。
さて、周波数可変をどこでやるか?。2ndLOで全てやろうとすると、10HzステップのPLLは無理なので、10kHzステップにしてREFを10Hzで動かしてやる構成だと・・・。
REFをDDSで作って10Hzで動かす。1stLOもDDSで作る。ついでにIFもDDS作る、基準はOCXO10MHzとする。
でもこれだとDDSが3個必要だ。1stLOがDDSなら、ここを10Hzで動かせば・・・、もともとそうしているので。これならDDSが2個で良い。そうしよう!
周波数構成は
10MHz(OCXO)−−−−x12−−−120MHz−−−DDS−−10.75MHz(IF)
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| └−−DDS−−20.5183〜21.51983MHz−−x6−−123.00〜123.1199MHz(1stLO)
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└−−PLL−−−−766.14〜966.14MHz(2ndLO)
これで回路を設計しつつ、パターンを作成する。
画像はパターン作成中
VISIOは画面の寸法で描画するとそのままの大きさで印刷できるので便利である。
とりあえずパターンができた。
両面基板を切り出して、プリント基板の作成だ。大きな基板をトナー転写で作るのは初めてだが・・・・。
転写して裏紙をしこしこはがす。
エッチングが完了した。穴開けが大変。
抵抗やトランジスタの穴は適当で良いが、コイルの穴はきちんと開けないと部品が取り付かない。
穴あけだけひと苦労であった。(ふう!)
マイクロ波では表面実装部品なので穴あけは不要だ。開けるとすればスルーホールでるあるが、多少ずれても問題無い。
それでもコイルの穴は多少ずれたような・・・。
少し部品を実装してみた。
まあ、なんとかなるっしょ・・・(いい加減、これが後でわざわいするのだが・・・。)
・PLL部を組み込んでテストした。
・とりあえずループフィルタの調整をした。ラグリードフィルタの抵抗をトリマ抵抗にして調整した結果、まあこんなもんと言うところまで追い込んだ。
・画像を縮小したので表示ラインががたがたになっているが、そのつもりで見て欲しい。
・スパン1MHzでの波形
・スパン20KHzでの波形
・スパン1KHzでの波形
・なかなか良くできたでしょう・・・・(自画自賛)
・ところがこの後とんでも無い目に・・・・・。
10月某日
・VCOの出力アンプを作った。PLLをロックさせてアンプ出力レベルを測ると・・・・。
おや?!、思ったより出力少ないぞ。5dBmくらいしか無い!それにPLLロックしてないし!。
・PLLのIC壊したかなぁ??そう思ったのはPLL設定は以前作ったPLL設定器で設定している。設定器はUSBから動作させるようになっていて、パソコンからデータを送り込むようにしている。このためPLL側の電源を切っても、設定器の電源はUSBから取っているので切れない。設定信号は出っぱなしだ。これが悪さしたと考えた。
・そこでPLLのICを交換してみた。交換と行っても0.65ピッチのICだから、例の顕微鏡で見ながらの作業で疲れる。何度も出来ない(ふう!)。
さて、直ったか?いや直ってない。と言うかロックしない。ガーンICは壊れてなっかたのでは・・・。
・何度かいじっているとたまにロックするが、すぐにロックしなくなる。壊れているわけではなさそうだが・・・・。
こういうときは焦らず頭を冷やすに限る。犬の散歩でもしてこよっと・・・・。
・やはり頭は冷やすものだ。散歩しながらひらめいた。そう言えば信号レベルが低かったような。(上の写真参照)写真撮っておいて良かった。VCOのレベルが−7dBm位しかないぞ。これにアンプを付けたので、さらにレベルが下がったのかぁ。それにしてもVCOの出力は少なくとも0dBm以上あるとして設計したのだから、これではレベルが低い。PLLICの規格をみても−10dBm以上となっている。
・しかしVCOのレベルはこんなに低いものかぁ?ジャンクだから?もと付いていた基板でVCOの電源ラインを追いかけると・・・・えっ!12Vだ!!。なんとこのVCOの電源は12Vだったのだ。5Vだと思って設計してしまった。リップルフィルタを通しているので、実質4.7V位になっている。この基板での電源は5Vと8Vしかないので、8Vをリップルフィルタに通して接続した。
<2012.04.21>追加
・おなじVCOがまだ残っているので別の所に使うため、取り外そうとして再度電源電圧を確認したところ、やっぱり5Vであった。出力が弱いので電圧が違うのではとの思いこみで調べたせいか見誤ったようだ。では、何故出力が弱いのか?。冷静に考えると、VCO2個を切り替えて使うのだが、2個の出力も切り替えるべきところを手抜きでパラにしていた。動作していない片側にパワーが漏れていると言うことだ。よくよく考えれば当たり前だが、切り替え無しでつなぐことは全然やらないわけでは無いが・・・。思わぬ所に落とし穴があった。
・ロックした。やはりVCOの電源不足でレベルが不足していたようだ。12Vでは無いが、アンプの出力も17dBmとなったので、これで良しとした。17dBmあれば、3dBパッドいれてもおつりが来る。
・とりあえず、全て部品を装着して調整に入る。DDS用の逓倍を調整する。10MHz−>20MHz−>40MHz−>120MHz−>120MHzとなっている。最終的に120MHz13dBmが目標である。
回路図と基板
・10MHzと20MHzのコイルはFCZもどきコイルである(大きいコイル)。ハムフェアで加藤さんのブースで10個セットをゲットしたものである。10個全部使ってしまった。もう10個買っておくべきだったか?。PLLの部分はジャンクから外したカバーを付けてみた。気休めかもしれないが。
・逓倍回路を調整しつつ同調コンデンサを微調整する。120MHzのレベルがどうしても不足する。40MHzの部分は画像で一番小さなコイル部である。いろいろ調整して同調コンデンサをある値にしてコアを少しねじ込んだ位置にすると120MHzのレベルが上がることが分かった。リンクコイルとの結合が強くなる位置に合わせるのが良いのかなあ。
・これでもう1段120MHzを増幅して複同調で取り出すと14dBmほど取り出せた。不思議なことに複同調とした方が多く取り出せた。なんだかなぁ。ここの回路は全て2SK241で組んである。このFETはディスコンだが、まだ秋月で手に入る。0バイアスでよいので使いやすい。回路がすごくシンプルになる。3逓倍はノーバイアスで良いが2逓倍は偶数倍なので、バイアスを深くしないとレベルが低い。ソースに抵抗を入れて2倍の信号レベルを見て抵抗値を決めた。最終的に220Ωとした。
・120MHzはこの後2つに分けてDDSを駆動する。DDSは10dBmほど必要とするのでこれでぎりぎりである。実際には8dBm位から動作するので、まあまあかな。
・先日のPLL波形に例のノイズ測定波形が無いので測定して追加する。
まずはPLLのノイズデータ

やはり100Hz近辺のノイズが多い。PLLの低い周波数側は−60dBc/Hzとなっているので、こちらの周波数の高い方はVpp電圧に近づき出力電流がきびしいのであろう。
DDSのデータも取ってみた。

ほとんど似たようなようなものだが、1MHz近辺のノイズが多い。こんなものなんだろうか?DDSは初めて使うのでよく判らない。
2012年1月某日
ようやく親機のトランスバータ部(IFを送受信周波数に変換するところ)を組み込んだ。
これからソフトの製作にはいる。
1月某日
ソフトのデバッグを行っていたら、なにやら臭いがした。半導体回路が焼けた独特のにおいだ。
反射的に親機を見たら表示が真っ暗、電流が増加している。あわてて電源を切った。
とほほ、どこか焼損したようだ。ソフトのデバッグで焼損するかなぁ。
と、思いつつ調べたところ、表示器のDCDCコンバータが焼損していた。
他の部品なら、大体が代替できるが・・・。(なんてしゃれてる場合では無いが)。
どうやらトランスもショートしてしまったようだし、同様の機種を入手して交換するしか手がなさそうである。
表示が見えないとデバッグにならないので、しばらくお預けである。
2月某日
・表示器を入手した。と言っても表示器だけは無いので,IC−271を入手して表示器を移植した。
元のIC−1271の表示器は,1桁ずらす加工がしてあったので、IC−271の表示器とそのまま入れ替えができた。
つまり、IC−1271とIC−271では、表示桁の位置が異なっている(回路パターンが違う)。それとIC−271は、
DUPの表示が不要なので、回路が無い。これは追加した。
・下は左がIC−271の表示器、右がIC−1271の表示器である。左にはDUP表示回路に部品が無い(赤丸の部分)。
3月某日
・表示器を入れ替えたので、ソフトでバックもほぼ終わり、親機として形になった。(ハズ)。
・こんな感じである.。
バンドは3バンドとしたので、切り替えると以下のようになる。
これは5GHz帯 これは10GHz帯 1桁はみ出るので最上位桁が表示できない。
・上の画像はメモリに表示記憶させたものを表示させたところ。メモリは番号表示が2桁あるので、00〜99までの100個とした(こんなにいらない?)。
・RITはIC−271から移植してダイアル式にした。(IC−1271はアナログボリューム式)
ダイアル式にしたので、いろいろな使い道ができるようになった(よかった)。
RITボタンを押してRITモードではRITとして機能する(当然)。
RITモードでない場合は
10kHzダイアル
MHzキーを押しながら10MHzダイアル
メモリモードでメモリアップダウン
スキャンモードでスキャンスピード調整
としてみた。
何せソフトを自作している強み(?)で何でも機能を作り込める(欲張り過ぎてもダメだが)。
元々無い機能では
IFの局発(10.75MHzの部分)はフィルタのプロファイルに合わせて、調整できるように,調整モードも付けてある。
これでUSB、LSBの局発を最適な位置(周波数)に設定できるようにした。結果はEEPROMへ記憶する。
EEPROMと言えば、メモリ100チャンネルもこれに記憶しているし、電源切る時の状態記憶にも使っている。よってメモリバックアップの電池は不要である。
・ここまでできたのでこれからトランスバータの製作へ戻ることにしよう・・・。
3月某日
・形になったが・・・・・。
・出力波形を確認すると・・・・・・・はぁっ!
なんで〜っ!
しょうがないのでPLL回りを確認することにした。PLLはロジックの下に装着されているので、まずロジックを外さねばならない(トホホ)。
ばらしてPLLを確認したが、何ともないようだ。なんでーーーーー!。
波形を良く観察すると周波数は150kHzくらい離れているぞ、リファレンスリークでは無いなぁ!。
おや!、良く見ていると、レベルと周波数が時間と共に変化する。リファレンスだと変化するのは変だ!
うーーーーん、これはもうあれしかない。
と言うことで、あれを確認した。ビンゴ!。
そう、3端子レギュレータの発振であった。コンデンサを追加して、解決!
いつの間に発振していたのだろう?途中で回路を少しだが追加・変更している。その後波形を確認して無かったなぁ・・・・。
これが対策後
・実は、もう一つ困ったことが・・・・
SCAN動作を確認して気づいたのだが、CPUクロックの高調波が受信されてしまう。アースポイントなど探ってみたが
効果が無い。
シールドしようにもロジック回路に配線が束になっているので無理であろう。
ずいぶん悩んだが、もうこれしか無い。
CPUクロックにコンデンサを追加してダイオードスイッチで切り替えるようにした。
CPUクロックを測定して、その整数倍に受信周波数が近づいたら、クロック周波数を切り替えるのである。
クロック周波数で2.5kHz程シフトさせるので、誤差範囲であり通信ボーレイトに与える影響はほとんど無い。
これで受信周波数で100kHzほどずれるので、高調波を受信することは全く無くなった。
3月某日
・裏側の画像である。
右側に通信コネクタとBOOT(プログラム書き込み)の切り替えSWを付けた。
通信と切り替えSWの拡大(機能表示シール貼る前)
右側の上から。
RS232Cコネクタ:本体CPUとの通信、プログラムの書き込みもできる。
ACCコネクタ :未使用
RS232Cコネクタ:トランスバータとの通信(切り替え)、プログラムの書き込みもできる(ようにするつもり)。
RJ45(8ピンコネクタ):RS422の信号でトランスバータと通信する。ケーブルはEthernetケーブルを使用予定。
その右のSW:
SWポジション上:RS422通信で本体とトランスバータの通信。
ポジション中:すぐ上のRS232Cとトランスバータを接続。
ポジション下:本体とトランスバータにそれぞれのRS232Cコネクタからプログラム書き込み。