HANTEK hack get 200MHz

DSO5072Pを200MHzに改造する。


IWATSUのDS−7810が調子悪くなってきた。ツマミのほとんどが接触不良になってきた。レンジ調整で右回しで波形を大きくするのだが、小さくなったり、トリガメニューで右回しで左にいったり。接点復活剤を付けてしのいで来たが、思ったように動作しなくなってきてイライラがつのってきて、とうとうHANTEKのオシロDSO5072Pをオクでポチってしまった。
まあ、安いのでそれなりではあるが、今のよりましかな、などと思いながら入手した。

さて、入手の決断にいたったのはこのオシロ200MHzへ改造できるとあったからだ。


オシロが届いたので早速改造だ。使うまえにいきなりとは・・・、なんだかなぁ。

改造手順はネットで検索するといろいろあるので、あえてここでは書かないが、一つだけ気になったことがある。

改造手順で最後にコンデンサー(47pF)を外すとある。自分もそのまま外したのだが、外した効果がどうあるのか、周波数特性がどうなるのか、データが無いのでさっぱり分からない。コンデンサーを外すのだから、周波数特性はよくなる方向だと想像はできるが、はたしてどのようになるのか気になりだした。

では、特性を採って見よう。
SSGの信号0dBmを50Ωで終端してオシロのBNCへ直接接続してデータを採ってみた。


結果をエクセルでグラフにしたが、な、なんとこれオシロ??といような特性である。
何が変かというと50MHzを超えると波形が大きくなるのである。通常は波形というか振幅のP−P電圧は小さくなっていって約30%小さくなった周波数を周波数特性としてるはずだが、どうして大きくなるのだろう。

取り敢えずグラフを見ていただこう。

CH1とCH2がコンデンサを取った特性である。190MHzあたりにピークがある。赤い直線が計算値だが、1.7倍程に大きく表示される。これでは測定器とはちょっと・・・。
波形をみるオモチャと思えば・・・・、いや、オモチャにしては高いぞ・・・。コンデンサーを取ったせいかなぁ?
では、気を取り直してコンデンサーを付け直してデータを採ったのがCH1_CとCH2_Cである。むむ、150MHzあたりまで変わらない。が、そこから上の周波数で小さくなった。とは言え150MHzあたりで1.6倍くらいになる。
どうしてこのような形状になっているのか、何かの補正か? ん、補正! そうか補正だ! 付属のプローブケーブルを補正しているのかもしれない。
付属のプローブは80MHzのシールが貼ってある。これで特性を取ったのがCH1_C_80MHz_CABLEの線(黄緑)である。やっぱり!。これだと130MHzに盛り上がりがあるが、200MHzまでほぼフラットだ。
えっ!これって、付属の80MHzプローブで200MHzまで測定しろってこと!?。でもそうなるなあ。
試しにIWATSUの100MHzケーブルでデータを採ると・・・当たり前だが、本体の特性どおりになった。やれやれ他社の正しい(?)ケーブルは不要ってことだ。
たしかに他社のプローブなどいろいろ持っている人は少ないかも、そういう人はTekの立派なオシロを持っているに違いない。

結論:HANTEK DSO5072Pは付属のプローブを使って内部のコンデンサーは取らずに、そのまま200MHzまで測定できる。他のプローブは使えない。

となりました。自分のだけかもしれないが、気になる人は周波数特性を測定した方が良いでしょう。



グラフのデータが波打っているのはRealTimeサンプリングなので、波形のピークをうまくサンプリングできずにふらつくから、電圧の読み取り値がふらつくため。
当然アースクリップの影響を避けるため、プローブのフックは外して、アース端子に銅箔を巻いて同軸構造で接続している。


RealTimeサンプルでデータのピークがうまく取れないのは200MHzに対して1GS/sだから1サイクル5ポイントしか取れない。
等価サンプリングだと25GS/sと説明書にあったので、等価サンプリングにしてみた。

なっ! なんじゃこりゃ!!

もとの波形(RealTimeサンプリング)


等価サンプリングに切り替え

はあっ! でしょ!
どうやったらこんな波形になるの?
分からん。これでは使えないではないか!
それとも何か設定がおかしい?
だれか教えて〜。


200MHzプローブ
オシロをポチったあとですぐに200MHzプローブもポチってしまった。上記測定結果が出てから考えればよかったのかもしれないが・・・・。早まったかなぁ。
まあ、それは特性を測ってみて考えよう・・・・。期待薄だが・・・

もう面倒なのでCH1だけ測定した。

等価サンプリングが無いのでアベレージで採ってみた。回数は32に設定。
CALは計算値、CH1_C、CH1_C_80MHz_CABLEは前回値データ。CH1_C_32は32回アベレージングデータ。同様に_32を付けたのがアベレージングデータである。
黄緑のCH1_C_200MHz_CABLE_32が200MHzプローブデータである。70MHzと160MHzに盛り上がりがある。共振しているのかもしれない。やっぱり思ったとおり良くない。やっぱりよさげなのは80MHzの付属プローブとなった。ついでにIWATSU付属の100MHzケーブルもデータを採ってみた。10MHz、30MHzに盛り上がりというか波打っている。やはり使えそうにない。
以上のようにやっぱりというか付属のプローブを使うべきとなった。
(補足:当然ですが、プローブを使う前に矩形波でプローブのトリマコンデンサを校正しています。)


IWATSU
ではIWATSUの100MHzプローブが波打っているのが気になるのでIWATSUのオシロのデータを採ってみた。


赤のCALが計算値、CH1,CH2が本体の特性(プローブ無し)。水色が200MHzプローブだが、同様に70MHzが盛り上がる、やはり共振であろう。
では付属のIWATSUプローブは、波打ちも無くすばらしい特性である。
う〜ん、やっぱり一流メーカですな。価格相応ということですね。HANTEKは趣味で使うなら無問題でしょうが、プロが使うようなしろものでは無いですなぁ。(当たり前)
まぁ、分かってて買ったのですが、機能が良いのでつい性能も期待してしまいます。

あっ、ここまで書いて思い出したことがある。なにかの記事、あるいはネットで、オシロのプローブは付属ものを使用しないとオシロの能力を発揮しないとあったような・・・・。



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